【コスパ最強?】疑惑のシングルモルト グレンターナー・ラムカスクフィニッシュ
今回は2000円台で買える、格安でシングルモルトを楽しめる
値段もさることながら味わいとしてもよくできていて素晴らしいウイスキーなのですが、
実はこのウイスキーには手放しでおすすめできない、知っておいていただきたい事情があるのです(そんな大きな問題ではないんですけどね)。
どんなウイスキー?
まずはこのラベルを見てください。
Glen Turner
SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
と書かれています。
別にこれ自体は何も珍しくないですし、素敵なラベルだと思います。
このシングルモルトという表記はみなさんご存じの通り、
単一の蒸留所で作られたモルト原酒のみで構成されたウイスキーのことを指します。
結論から言うと、
じゃあ何なのかというとブレンデッドモルト(またはヴァッテッドモルト)になります。
ブレンデッドモルトとは、複数のシングルモルトをブレンドしたウイスキーのことです。
つまりシングル(単一の蒸留所)ではないのです。
ここでついでにグレンターナー社についてご紹介します。
グレンターナー社
グレンターナー社はロンドンに拠点を置くボトラーズの会社です。
グレンターナー社は蒸留設備を持たず、
契約しているスコットランドの約100か所の蒸留所から原酒を買い付けて
スコットランドのグラスゴーにあるブレンディング工場にてブレンドとボトリングを行っています。
ボトラーズ会社は買い付けた原酒をさらに熟成をさせたり、
樽を移し替えて後熟(フィニッシュ)をかけたりすることによりブレンドするだけではない個性を出すことができます。
今回のグレンターナー・ラムカスクフィニッシュもたくさんの原酒をブレンドした後に、
その名の通りラムの熟成に使われた空き樽にて6か月の後熟をしています。
シングルモルトではないという点についてはスコットランドのルールでは当然その表記には問題があります。
会社がロンドンだからいいのか?
はたまた商品価値を上げるために勝手に名乗っているのかは定かではありません。
しかし、肝心の中身のウイスキーについては何も問題はありませんし、次のテイスティングレビューでも書きますが味わいもよくできたウイスキーですのでご安心ください。
グレンターナー・ラムカスクフィニッシュのテイスティング
まずは香りから、
初めに感じるのはバーボン樽由来のバニラ感。
特別香り立ちが強い印象はありませんがアルコール刺激臭もそこまで強くなく心地のいい感じです。
そしてバニラの次に黒糖の香りがしてきます。これはラム樽由来の香りだと思います。
さらに追ってみずみずしいブドウっぽい香り。
味わいはというと
香りではバニラが優位でしたが味は黒糖感、砂糖感が前に出ています。
さらにバニラ感に加えてフルーツ感、特にブドウ。
独特な甘みのある印象で美味しいです。
余韻にはスパイシーさも感じられ、短めの余韻ですっきりしています。
少し熟成の若さは感じますがそこまで嫌な印象はなく飲みやすいです。
ラム樽の影響をはっきりと感じることができました。
後熟系のウイスキーはこのような樽のキャラクターがはっきりしているところが面白いですね。
飲み方としてはストレートでもいいですし、ハイボールにするとすっきりした特徴がより強調されておすすめです。
ロックはこのウイスキーの特徴の甘さが抑えられコクもなくなってしまいイマイチでした。
ハイボールで食事に合わせて飲みたい一本かなと思います。
ラム樽熟成のウイスキーってどんな感じか知りたい方や、ワイン樽やシェリー樽系のウイスキーがお好きな方、ちょっと変わり種が試したい方におすすめです。
まとめ
今回はグレンターナー・ラムカスクフィニッシュを紹介しました。
シングルモルトではないのでラベルに惑わされないようにしてほしいというお話と、
そんな表記をわざわざする必要がないと思うほど中身はちゃんと美味しいウイスキーで、
コスパがいい!
というお話でした。
気になった方は手に取りやすい価格だと思いますので是非飲んでみてください。
それでは、皆様のウイスキーライフがより良いものになりますように。