ウイスキー検定とは
ウイスキー検定とは
ウイスキー検定とは、ウイスキーのことを深く知ることでよりウイスキーを楽しむための知識を問う試験です。
ウイスキーは日常的に目にすることは多いのに、いざ「どんなお酒?」と聞かれると、きちんと答えられない人がほとんどです。
ウイスキー検定は、世界中のウイスキーについての、歴史、原料、製法、飲み方、ウイスキーの雑学まで、ウイスキーの世界をより楽しむための知識を問います。
難易度の低い級も用意されており、ウイスキー初心者でも勉強すれば十分挑戦できる内容となっています。
各級について
ウイスキー検定は以下のような級に分かれています。
まず基本となる総合的な問題で問われるウイスキー検定3級から1級。
3級は初心者でも勉強すれば十分合格できる難易度で、逆に1級は長らくウイスキーを飲んでいるベテランの上級者でも手こずる難易度になっています。
3級は初心者でも合格できるといっても、ウイスキーを普段からよく飲んでます!っていう方でも試験用の勉強は必要となる難易度となっています。
また、試験の分野を特化した特別級の
の4つが用意されています。
特別級はその試験名の通り、その分野に特化した内容が出題されます。
難易度は特化して出題されているだけあってなかなかに難しいです。
出題は50問か100問の選択式で、1級には記述問題もあります。
各級に設定されている合格点があり、その合格点を超えれば合格というシンプルな試験です。
またJW級とSM級には得点によって初段(65~74点)、二段(75~84点)、三段(85~94点)、師範(95点以上)の4段階の段位認定があります。
具体的な実施の概要については別の記事でご紹介します。
受験者特典
ウイスキー検定には受験していただいた方全員に特典があります!
以下の三点が全員もらえます。
また、試験の点数も開示され、受験者中の順位も通知されるようになっています。
また、合格するとさらに別の特典があります。
合格者得点は無料のものや、有料のものまでウイスキーファンにはとても魅力的な内容になっています。
参考テキスト
ウイスキー検定の勉強には公式から推奨されているテキストと問題集がありますのでそれを使えば間違いはありません。
テキストと問題集のリンクを貼っておきます。
1級や特別級(JW級・SM級・BM級・IW級)などを受験される場合は公式テキストだけでは足りないと思います。
なのでより深い知識を得るための参考図書も追加で掲載しておきます。
- ウイスキー検定 公式問題集
- 完全版 シングルモルトスコッチ大全
- ブレンデッドウィスキー大全
- ウイスキー完全バイブル
- 伝説と呼ばれる至高のウイスキー101
- Whisky Galore(ウイスキーガロア)
- ビジネスに効く 教養としてのジャパニーズウイスキー
勉強するにあたってどの本を参考にしようか迷ったときはこの中から選ぶとよいと思います。
初心者におすすめのウイスキー10選 D’s whisky 厳選銘柄編
前の記事では定番のウイスキーの中からおすすめのウイスキーを紹介しました。
今回はちょっとマイナーだけど個人的に初心者におすすめする厳選銘柄を紹介します。
個人的好みを優先したためお値段が初心者向けではないかもしれません。
ですがここで紹介する銘柄は飲みやすくウイスキーの良さを感じられるものを選びました。
どこにもないラインナップをぜひご覧ください。
グレンゴイン10年
一本目はグレンゴイン10年。アルコール度数は40%
このウイスキーの最大の特徴はノンピートであることです。
スコッチらしくないという考え方もありますが、やはり初心者にはピートが苦手という方が多いのでノンピートなのはおすすめできるポイントになると思います。
味わいは甘いバニラ感と酸味のあるフルーツ、余韻はすっきりとしていて飲みやすいです。
ローランド地域のようなライトで癖のない味わいが特徴です。
スペイバーン10年
スペイバーン10年。少しマイナーな銘柄かもしれませんが、
こちらもシングルモルトでアルコール度数40%。
このウイスキーはなめらかで澄んだ味わいで、とても飲みやすいのが特徴です。
甘みがありながらミントのようなすっきり感と、レモンのような清涼感があり、
甘酸っぱくさわやかな味わいはストレートでもハイボールでもおいしくいただけます。
アラン 10年
アラン10年。こちらもグレンゴインと同じくノンピートのシングルモルトウイスキーです。
値段は4000円台。
アランの特徴はなんといってもその甘い味わいです。
バーボン樽とシェリー樽のブレンドによりバランスがよく、個人的にも大好きなウイスキーです。
甘いタイプのウイスキーは万人受けしやすいですし、女性にも人気の銘柄です。
ボトルデザインも昨年の2020年に大きく変更されおしゃれになりました。
アルコール度数が46%あるので初心者の方は加水しながら飲んでいただくのがいいと思います。
もちろんハイボールにしてもおいしいです。
アバフェルディ12年
アバフェルディ12年。アルコール度数は40%
アバフェルディは最近どんどんと人気になってきているウイスキーです。
デュワーズのキーモルトになっていることでも有名で、知名度もあります。
スコットランドでは有名な蜂蜜の、ヘザーハニーの甘い香りがすることで有名で、
ビターさがほとんど感じられないのも初心者におすすめできるポイントです。
スモーキーさも感じますがわずかで初心者でも嫌な印象は抱かれないと思います。
ノッカンドゥ12年
ノッカンドゥはウイスキー好きにはよく知られた銘柄ですが、知らない方も多いと思います。
アルコール度数は43%、値段は4000円程度。
このウイスキーの特徴はライトな口当たり。
濃厚で複雑なウイスキーは、ウイスキー好きの方には好まれますが初心者にはあまり向かないことが多いです。
その点、ノッカンドゥは軽くすっきりとした味わいです。
しかしライトながらスコッチらしい甘さ、モルト感、フルーティさ、ナッツのような香ばしさと複層的な味わいを感じられることができます。
ノッカンドゥ12年が気に入ったらさらに長熟のノッカンドゥ21年などもコスパがよくおすすめなのでぜひお試しください。
モンキーショルダー
モンキーショルダーはブレンデッドモルトウイスキーに分類されます。
アルコール度数は40%、価格は3000円台。
モンキーショルダーという名前は、麦芽を床に敷き詰めて攪拌する「フロアモルティング」を行うモルトマンたちが、その重労働によって痛めた肩のことを「モンキーショルダー」と呼んだことに由来します。
三匹の猿のエンブレムがついていますが、これは3種類のモルト原酒だけで造られた「トリプルモルト」のことを意味しており、その三つとはグレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィです。
味わいはすっきりとしており、クセがありません。
シーバスリーガル12年 ミズナラエディション
シーバスリーガル12年 ミズナラエディションは、
ブレンデッドウイスキーの定番銘柄シーバスリーガル12年を日本固有種のミズナラの木でできた樽で熟成した原酒とマリッジ(ブレンドの一部に加える)ことによってできた銘柄です。
このウイスキーは日本市場向けに発売されているもので、日本原産のミズナラ樽への関心の高さが伺えます。
また、日本市場向けなので日本人の味覚に合わせたブレンドがなされているということで、
非常に飲みやすい味わいに仕上がっておりクリーミーさを感じられます。
飲みやすいものを、ということであれば私はこの銘柄を選びます。
アルコール度数は40%、価格は価格は価格は3000円台。
ジョニーウォーカー ブラックラベル12年 スペイサイドオリジン
ジョニーウォーカーブラックラベル12年の派生として限定生産されている銘柄です。
この銘柄はジョニーウォーカーブラックラベルを構成する原酒のうち、スペイサイドに蒸留所のあるもののみで構成されており、スペイサイドの特徴を存分に味わうことができます。
スペイサイドで作られるウイスキーの特徴はフルーティでフローラル。
スペイサイドだけでなくその他の地域にフォーカスしたものも発売されていますがこのスペイサイドオリジンが一番初心者に向いていると思いますし、ウイスキー好きが飲んでも十分に楽しめる素晴らしい味わいになっています。
アルコール度数は40%、価格は価格は価格は3000円程度。
バランタイン17年
バランタイン17年は今回紹介する銘柄の中で一番値段が高く5000~6000円程度になります。
初心者におすすめするには少々高額なウイスキーになりますが、その味わいはどうしても個人的におすすめしたい素晴らしいものなのです。
この銘柄は「ザ・スコッチ」と称されるほど完成されたブレンデッドウイスキーで、スコッチウイスキーを代表する銘柄といって間違いないです。
スコッチらしいフルーティさ、甘さ、わずかなスモーキーさ、スパイシーさ、モルト感それらがバランスよくブレンドされています。
ぜひ一度は飲んでいただきたい銘柄です。
I.W.ハーパー ゴールドメダル
今回紹介する銘柄の中で唯一のバーボンウイスキーです。
I.W.ハーパーは作られ始めた当初、高級バーボンを作ろうというコンセプトで生まれました。
そのこだわりの製法は今でも受け継がれており、洗練されたバーボンウイスキーという位置づけです。
そんなI.W.ハーパーですが値段は非常に手に取りやすく2000円程度で購入することができます。
バーボンらしさがありながら、バーボンによくある新樽由来の独特のクセが少ないため飲みやすさも兼ね備えています。
また、ハイボールとの相性が非常によくそんな特徴も初心者におすすめできるポイントです。
I.W.ハーパーのハイボールは「ハーパーソーダ」呼ばれ親しまれています。
まとめ
今回は私の独断と好みで厳選した銘柄を紹介していきました。
巷に蔓延する雑な初心者おすすめ銘柄記事を見飽きた方にぜひ見ていただきたい記事にしました。
ド定番をいろいろ飲んでみたその次に何を選ぼうか迷われてる方にも是非どうぞ。
今やウイスキーの情報はネットで調べればいくらでも出てくる時代ですが、
その情報の質は様々です。
本当に見ていただける方のためになる記事を目指して書いていきますのでよろしくお願いいたします。
ここまで見ていただいてありがとうございます。
それでは、皆様のウイスキーライフがより良いものになりますように。
【コスパ最強?】疑惑のシングルモルト グレンターナー・ラムカスクフィニッシュ
今回は2000円台で買える、格安でシングルモルトを楽しめる
値段もさることながら味わいとしてもよくできていて素晴らしいウイスキーなのですが、
実はこのウイスキーには手放しでおすすめできない、知っておいていただきたい事情があるのです(そんな大きな問題ではないんですけどね)。
どんなウイスキー?
まずはこのラベルを見てください。
Glen Turner
SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
と書かれています。
別にこれ自体は何も珍しくないですし、素敵なラベルだと思います。
このシングルモルトという表記はみなさんご存じの通り、
単一の蒸留所で作られたモルト原酒のみで構成されたウイスキーのことを指します。
結論から言うと、
じゃあ何なのかというとブレンデッドモルト(またはヴァッテッドモルト)になります。
ブレンデッドモルトとは、複数のシングルモルトをブレンドしたウイスキーのことです。
つまりシングル(単一の蒸留所)ではないのです。
ここでついでにグレンターナー社についてご紹介します。
グレンターナー社
グレンターナー社はロンドンに拠点を置くボトラーズの会社です。
グレンターナー社は蒸留設備を持たず、
契約しているスコットランドの約100か所の蒸留所から原酒を買い付けて
スコットランドのグラスゴーにあるブレンディング工場にてブレンドとボトリングを行っています。
ボトラーズ会社は買い付けた原酒をさらに熟成をさせたり、
樽を移し替えて後熟(フィニッシュ)をかけたりすることによりブレンドするだけではない個性を出すことができます。
今回のグレンターナー・ラムカスクフィニッシュもたくさんの原酒をブレンドした後に、
その名の通りラムの熟成に使われた空き樽にて6か月の後熟をしています。
シングルモルトではないという点についてはスコットランドのルールでは当然その表記には問題があります。
会社がロンドンだからいいのか?
はたまた商品価値を上げるために勝手に名乗っているのかは定かではありません。
しかし、肝心の中身のウイスキーについては何も問題はありませんし、次のテイスティングレビューでも書きますが味わいもよくできたウイスキーですのでご安心ください。
グレンターナー・ラムカスクフィニッシュのテイスティング
まずは香りから、
初めに感じるのはバーボン樽由来のバニラ感。
特別香り立ちが強い印象はありませんがアルコール刺激臭もそこまで強くなく心地のいい感じです。
そしてバニラの次に黒糖の香りがしてきます。これはラム樽由来の香りだと思います。
さらに追ってみずみずしいブドウっぽい香り。
味わいはというと
香りではバニラが優位でしたが味は黒糖感、砂糖感が前に出ています。
さらにバニラ感に加えてフルーツ感、特にブドウ。
独特な甘みのある印象で美味しいです。
余韻にはスパイシーさも感じられ、短めの余韻ですっきりしています。
少し熟成の若さは感じますがそこまで嫌な印象はなく飲みやすいです。
ラム樽の影響をはっきりと感じることができました。
後熟系のウイスキーはこのような樽のキャラクターがはっきりしているところが面白いですね。
飲み方としてはストレートでもいいですし、ハイボールにするとすっきりした特徴がより強調されておすすめです。
ロックはこのウイスキーの特徴の甘さが抑えられコクもなくなってしまいイマイチでした。
ハイボールで食事に合わせて飲みたい一本かなと思います。
ラム樽熟成のウイスキーってどんな感じか知りたい方や、ワイン樽やシェリー樽系のウイスキーがお好きな方、ちょっと変わり種が試したい方におすすめです。
まとめ
今回はグレンターナー・ラムカスクフィニッシュを紹介しました。
シングルモルトではないのでラベルに惑わされないようにしてほしいというお話と、
そんな表記をわざわざする必要がないと思うほど中身はちゃんと美味しいウイスキーで、
コスパがいい!
というお話でした。
気になった方は手に取りやすい価格だと思いますので是非飲んでみてください。
それでは、皆様のウイスキーライフがより良いものになりますように。
【飲み比べ】アードベッグ 5年 ウィービースティ vs 10年
2020年7月14日に発売されて以降、なかなか店頭で見かけることがなく手に入らなかった、
「アードベッグ 5年 ウィービースティ」
今回はこちらが手に入りましたので定番品の10年と飲み比べをしながらご紹介していきたいと思います。
どんなウイスキー?
アードベッグ 5年 ウィービースティという名前の通り、
熟成年数が5年以上の原酒が使用されています。
アルコール度数は47.4%
バーボン樽熟成の原酒と、オロロソシェリー樽原酒のヴァッティングによって構成されています。
アードベッグの定番品の10年はバーボン樽のみなので、それと比べると甘みの感じられる構成になっているのかなと想像できますね。
また、年数が若いのでピート感がより強く表れる傾向にあったり、それが味わいにどのように影響してくるのか楽しみにして飲んでいきたいと思います。
ウィービースティというのはゲール語で「リトル・モンスター」の意味があり、小さいながらに手の付けられない怪物といった意味合いがあるそうです。
それでは飲み比べテイスティングしていきたいと思います。
アードベッグ10年と比較してテイスティング
まずは香りから、
初めに感じるのは、アードベッグらしいしっかりとしたピート感、それと同時にシェリー樽由来の甘い香りがしてきます。
そしてそのあとにバニラ系の甘い香りと、アードベッグらしいライトな柑橘系の香りもしてきます。
このピート感と柑橘系の香りによって、やっぱりアードベッグだなーと感じさせます。
アードベッグらしさをしっかりと残し、そこにシェリーの甘い香りか加わったような印象。
10年ではレモンや酸味を感じる柑橘系の香りがメインですが、ウィービースティではそこに熟した甘い果実感も加わったという感じです。
そして何度か嗅いでいるとスパイシー感も感じ取れます。
これは樽材由来の感じかなと思います。
この時点ではあまり若さは感じません。
それでは、飲んでいきます。
飲んでみるとますますオロロソシェリー樽由来のカカオ濃度の高いチョコレートような味わいが感じられます。
スパイシーさも同時に感じられ、パワフルなピートが追いかけています。
この感じはアードベッグ うーがダールに近いです。
ウーガダールほどの熟成感やコク、複雑さはありませんがキャラクターとしてはちょっと似ています。
飲んでみると香りでは感じなかった若さも感じますが、そこまで嫌な印象はありません。
むしろこれはこれで、このボトルのキャラクターとして捉えられる面白さがあります。
長期熟成もののような複雑さは感じられませんが、
バーボン樽、シェリー樽それぞれの樽の印象や、アードベッグ感はしっかりと感じられます。
ライトな酒質でありながらストレートだと47.4%の度数によってボディもしっかりとしています。
これが40%だったらちょっと物足りない印象になっていたかもしれません。
10年は酒質、ピート感、熟成による味わい、それが完成されたバランスの上に成り立っており、
ウィービースティは荒々しくもその香味を構成するそれぞれの要素による個性がはっきりとしています。
加水をしてみるとその個性がより分かりやすくなります。
ピート感はそのままにフルーティさがはっきりした印象です。
度数がそこそこありますので加水による変化もしっかりと感じられて面白いですが、
個人的にはそのままでもおいしくいただけるかなと思います。
また、ハイボールにしてみると甘みが落ち着き、スモーキーさがぐっと前面に出てビーターさもすこし強調されます。
フルーティさを余韻で感じます。
ハイボールに関しては10年のほうがすっきり感があっていいかなーと思いました。
まとめ
個人的にウィービースティの味わいは大好きです。
10年のおつまみには塩気を感じるジャーキーやシーフード系を合わせるのが好きですが、
ウィービースティはチョコレートなどのスイーツ系にも合いそうな感じです。
飲み終わってから思ったのが、
なんだか、短熟系のアードベッグのボトラーズを飲んだ時のようなそんな感覚を抱きました。
手の付けられないリトルモンスター、ウィービースティの名に恥じない面白い仕上がりになっていると思いますのでぜひ飲んでいただきたいです。
それでは、
皆様のウイスキーライフがより良いものになりますように。
【超希少】三郎丸蒸留所 ブラックタートル テイスティングレビュー【138本 数量限定品】
非常にレアなウイスキーが手に入りましたのでせっかくなのでレビューをしてみたいと思います。
その名も、三郎丸蒸留所『タートルチョイスシリーズ BLACK TURTLE』
希少ということは当然テイスティングレビューも少ないと思いますので、この記事が誰かの役に立てば幸いです。
早速、内容を見ていきましょう。
どんなウイスキー?
このウイスキーは酒やビッグさんのコラボボトルシリーズ「タートルチョイスシリーズ」の第6弾です。
発売本数はなんと138本限定。しかも酒やビックさん限定発売です。
700ml アルコール度数57%
価格は、税込9,680円
若鶴酒造、三郎丸蒸留所から数量限定で発売されたウイスキーになるのですが、
今回はちょっと面白いコラボの仕組みをしています。
その仕組みはというと、アメリカのシカゴにあるコーヴァル(KOVAL)蒸留所と三郎丸蒸留所とのダブルコラボなんです。
そんなこだわりウイスキーの内容を詳しく説明します。
使用されているウイスキーは三郎丸蒸留所にて蒸留され、6年間熟成されたピーテッドモルト原酒とグレーン原酒をブレンドしたものなのですが、
そのブレンドされた原酒を、コーヴァル蒸留所でプライベートカスクのバーボンの熟成に使用された樽に移し替え、11ヶ月の後熟(フィニッシュ)をしています。
このフィニッシュは、シカゴのコーヴァル蒸留所から空樽を移送して、三郎丸の蒸留所にて行っているそうです。
この時使用されたコーヴァルの樽は特注品で、サイズがとても小さく、少量のみの生産しかできないため今回の発売は138本限定になったとのことです。
樽のサイズが小さいということは樽内のウイスキーの量に対して、樽材に接触する表面積が大きくなりますので大きな樽に比べて熟成が早く進みます。
また、今回フィニッシュの期間は11ヶ月でありフィニッシュとしてはそこそこ長い方だと思います。
つまりフィニッシュの影響をしっかりと受けた味わいになっているのではないかと推測されます。
それでは、テイスティングレビューに移りましょう。
ブラックタートル テイスティングレビュー
まず初めに目を引くラベルデザイン。
タートルチョイスシリーズはこのような漫画調のデザインをしています。
ちなみにここに描かれているカメは酒やビッグのキャラクター「ビッくん」だそうです。
タートルチョイスシリーズすべてに描かれています。
珍しい一風変わったかわいいラベルですね。
バーボン樽熟成らしい赤みの少ない透き通った色合いです。
香りはしっかりとした香り立ちで、想像よりピートの印象が強いです。
そして甘い香りも追いかけてきます。
このピートはスコッチでいうところの内陸系のピート感に似ています。
ラフロイグやアードベッグのようなケミカルなピートというより、
アードモアのような煙っぽいスモーキーさでしつこくないすっきりとした印象です。
苦手な人でなければ受け入れやすい、心地よいスモーキーさです。
そして甘い香りはバニラ系です。
フルーティというより、はちみつやカラメルといった糖を感じる甘い香りです。
度数が高いことも相まってしっかりとした芳醇な香りを感じられます。
飲んでみると、
角のないまろやかで厚みのある甘みが広がります。
そして余韻は少しビターで長く、ピート感が鼻から抜けていきます。
度数が高いので加水をしながら変化を見ていきます。
数滴の加水をすると甘さを強く感じるようになりました。
香りの時に感じた通りのシンプルなバニラ感、カラメル感、そこに加えて樽材のウッディな味わいもあります。
濃厚ですが飲み進めるとブレンデッドらしい飲みやすさも感じましたので飲み飽きない味わいです。
フィニッシュをする前の原酒は6年熟成で決して長い方ではありませんが、十分な熟成感があります。
むしろこれ以上の熟成を行うと渋みなどの嫌な要素が出そうな、そんな気配を感じます。
これがマチュレーションピークか、、、とか根拠もなく勝手に思ってみたり。笑
アルコール度数57%ありますのでコスパもいいですし、
加水による変化を楽しめるのがいいですよね。
テイスティングレビューの要点をまとめると、
煙っぽい心地よいピート感、しっかりした熟成感からくる甘さがバランスよい。
加水がおすすめ。
まとめ
今回は非常に珍しいウイスキーのテイスティングレビューをしていきました。
他に飲んでいる記事が見当たりませんでしたので、気になっている方の参考になったら嬉しいです。
このウイスキーは、ある程度ウイスキーを飲みなれていてストレートで飲むことが多いという方にはおすすめできる一本だと思います。
慣れた方にとっては三郎丸蒸留所ってどんなウイスキー作るんだろうという目線で飲んでみてもいいと思いますし、味わいとしても評価できます。
しかし、私なら初心者にはあまりおすすめしません。
なぜなら、価格もそこそこしますし、ピート系ですし、カスクストレングスレベルの度数に慣れていないと飲みずらいし、加水しながらという飲み方にも慣れていないと思われるからです。
そんな方には同じ三郎丸蒸留所から発売されている、十年明(じゅうねんみょう)あたりがおすすめです。
十年明は価格も3000円台で買えますし、スコッチグレーンウイスキーを混ぜて作られているブレンデッドですが、毛嫌いせず飲んでみるとなかなか面白い味わいをしています。
それでは、今回は三郎丸蒸留所の限定ウイスキー ブラックタートルの紹介でした。
皆様のウイスキーライフがより良いものになりますように。
バランタイン7年 商品紹介とテイスティングレビュー
今回は新商品の情報の紹介です。
バランタイン7年です!
超名門のブレンデッド、バランタインブランドからの新商品です。
すでにウイスキーファンの中では話題になっていますね。
では詳しく見ていきましょう。
どんなウイスキーなのか
まずボトルの見た目はバランタインファイネストや12年と同じ形状のボトルデザインで、
ラベルは黒く、重厚感のある見た目です。
オフィシャルHPなどに掲載されている写真ではラベル以外の部分(ガラスの部分)が赤色になっているように見えますが、実際は茶褐色です。
私自身も店頭で見たときに思っていた色と印象がだいぶ違って、違う銘柄かと思いました。
ほとんど黒色で統一されているような感じです。
さて、肝心の中身ですが、
7年間の熟成を経た原酒をブレンドした後にバーボン樽で後熟(フィニッシュ)をかけるという製法がとられています。
7年と聞くと珍しい年数表記だなと思われる方も多いと思いますが、
これはバランタインの創業者であり初代マスターブレンダーの「ジョージ・バランタイン」さんが、
当時では珍しい、初めて年数表記をして発売したのが7年のものだったそうです。
いわばバランタインブランドの年数表記物としての原点のようなものなのです。
続いて、香りと味わいのほうを見ていきましょう。
テイスティングレビュー
私のテイスティングレビューと、一流のウイスキー評論家の方のテイスティング記事を参考にしてまとめていきます。
まずは香りから、
バーボン樽で後熟をしている影響なのか、まず初めにバニラ感の強い甘い香りが感じられます。
続いてリンゴのフルーティさもあります。
またクッキーにも似た甘さと香ばしさも同時に感じられます。
7年という短めの熟成年数でありながらアルコール刺激感は控えめで、とがった癖もありません。
スモーキーさはわずかに感じる程度です。
味わいは、
軽やかな口当たりですっきりとしていて、シンプルなバニラ的な甘さ。
とはいえ、ライト過ぎることはなくストレートでは濃厚な甘さも感じられます。
香りでもわかったようにアルコール刺激感はやはり抑えられていてなめらかな印象です。
余韻にも嫌な印象はなく、短めな余韻ですっきりとしています。
ハイボールにすると、非常にすっきりしており甘さも残りますが
食事にも合わせやすそうな穀物感や香ばしさ、ビターさが少し強調されたような印象です。
ファイネスト、7年、12年を比較
バランタインファイネストと比較すると7年のほうが味わいが崩れずゆっくり味わって飲むのが向いていると思います。
また、それに対して12年は華やかさとフルーティさがより強く、ハイボールでも樽感を感じられます。
ファイネストはしっかり目の食事と一緒に食中酒として飲んで、7年で落ち着いたゆっくりとした時間にお好きなおつまみといただくのがいいのではないでしょうか。
ファイネストと7年と12年を比較して一言で表すと、
ファイネストは甘くとにかくすっきり、
7年は甘さとフルーティさの中に香ばしさやビターさ、
12年はフルーティさやより強調されスコッチらしさがしっかり。
そんな印象です。
まとめ
若い熟成年数ですので特別すごい特徴や奥深い味わいこそありませんが、
特にネガティブな要素が見当たらないところにバランタインのブレンディング技術のすごさを感じます。
また、お値段が希望小売価格2100円で買えるというのが非常に魅力的だと思います。
価格的にもファイネストと12年の中間に位置するものということになります。
安価なボトルと思っていたら案外侮れないおいしさがある、それがブレンデッドの良さでもあります。
気になった方はぜひ飲んでみてください。
それでは、
皆様のウイスキーライフがより良いものになりますように。
初心者におすすめのウイスキー10選 定番編
ウイスキー初心者の方に向けておすすめの10銘柄を紹介します。
今回は定番編ということで一般的によくおすすめされている銘柄を中心に紹介します。
最近はウイスキーのことをよくわかっていない人が定番銘柄を並べただけの記事がネット上に散見されますが、ここでは私が自信をもっておすすめする銘柄のみを紹介します。
これの別の記事では私の独断で、定番ではないけど初心者におすすめできる銘柄を紹介します。
グレンフィディック12年
いわずと知れた世界で最も売れているスコッチのシングルモルト。
それだけ聞いただけでも飲んでみる価値がありますよね。
アメリカンオーク樽とスパニッシュオーク樽で12年以上熟成した原酒によって構成されたシングルモルト。
飲み口すっきりで、柑橘感のある風味が特徴ですっきりしています。
フルーティで飲みやすいので初心者におすすめの一本です。
グレンリベット 12年
スコットランドで初の政府公認蒸留所となったグレンリベット蒸留所の最もスタンダードなボトルです。
その味わいは、バニラやはちみつのようでなめらかな甘みがあり、さわやかでライトな余韻です。
重たさや癖はなく万人受けする銘柄です。
個人的にグレンリベット12年は一番初心者におすすめのシングルモルトです。
グレンファークラス 12年
こちらもシングルモルトでスコットランドのスペイサイド地域の特徴がよく出た甘い香りと味わいが特徴です。
シェリー樽熟成のウイスキーはどんな味わいなのか試すにはぴったりの銘柄です。
また、10年から40年と、熟成年数の幅が広く細かく発売されていますので年数別で飲み比べてみるのも楽しい銘柄です。
グレンモーレンジィ 10年 オリジナル
味わいはクリーミーでフルーティ。
そんな中でもグレンモーレンジ10年は非常にライトな飲み口が特徴です。
ハイボールにもとても合う銘柄で、グレンモーレンジを使ってオレンジを添えたハイボールの作り方が公式からおすすめされており、有名です。
バランタイン 12年
こちらはブレンデッドスコッチウイスキーです。
キーモルトはグレンバーギー、ミルトンダフ、スキャパなどがあります。
名門のブレンデッドで、40種類以上の原酒を使用し、バニラのような甘さ、フルーティさ、塩気のあるさわやかさがバランスよくブレンドされている。
とにかくバランスのいい一本になっています。
ブレンデッドはとてもよくできたボトルでも安価で買えるのも特徴で、こちらは2000円台で購入できます。
さらにこのバランタインの17年は「ザ・スコッチ」と呼ばれスコッチの象徴とも呼ばれる名作です。
12年が気に入ったらぜひそちらも飲んでいただきたい銘柄です。
ジョニーウォーカー ブラックラベル
ブレンデッドウイスキー二本目はジョニーウォーカーブラック12年です。
世界で一番売れているブレンデッドウイスキーブランド、ジョニーウォーカー。
その中でも主力かつ定番のブラックです。
三大ブレンデッドと呼ばれるブランドの一つで、バランタイン、シーバスリーガルが名を連ねます。
その中でもジョニーウォーカーはスモーキーさのある原酒を比較的多く使っているのが特徴で、力強い味わいがあります。
3大ブレンデッドの同一熟成年数で飲み比べるとそのスモーキーさ、力強さがよくわかります。
シーバスリーガル 12年
シーバスリーガルはキーモルトにスペイサイドのストラスアイラが使われており、その華やかさが醸し出されます。
ベルベットのようにまろやかで華やかな香りが人気で、女性にも愛飲者が多い銘柄です。
また、飲み口はライトで万人受けなブレンデッドです。
ブレンデッド1本目にもおすすめです。
ジェムソン
3回蒸留によって生み出されるアイリッシュらしいライトでコクのある味わいが特徴です。
麦芽の乾燥にピートは使わず、グレーンウイスキーとブレンドすることで癖がなくコクがありつつもマイルドな仕上がりになっています。
安価な価格も初心者におすすめのポイントです。
メーカーズマーク
日本でも非常に知名度を上げているクラフトバーボンウイスキーのメーカーズマーク。
ボトルもおしゃれでそのまま置いてもインテリアになりそうなボトルです。
その味わいの特徴は甘くフルーティ、バーボン独特の癖が少なく飲みやすいのでバーボンの入門の一本としておすすめです。
原料に冬小麦を多く使用するのがメーカーズマークの特徴で、よりまろやかな味わいとなっています。
ワイルドターキー 8年
バーボンの中で最も定番ともいわれているワイルドターキー8年です。
バーボンらしいフルボディで重厚、バニラのしっかりとした甘さを感じられます。
内側を強く焦がしたオークの新樽を使用しており、またボトリングの際に加水をあまり行わない(アルコール度数50%)ため樽出し原酒に近い深い香味成分が感じられる。
バーボンらしいバーボンが飲んでみたい方におすすめ。
まとめ
今回はド定番の有名銘柄から飲みやすく癖のない初心者向けの銘柄を紹介しました。
入手性も高く、値段も安く、有名なのでウイスキー談義するときにもウイスキー好きなら誰もが知っている、そんな銘柄たちです。
次回の記事では私の個人的な偏見と好みで厳選した銘柄を紹介します。
ド定番な銘柄はいろんなところで見飽きた、一通り飲んだから次が知りたい。
そんな方に向けた記事を書きます。
そちらのほうが見ていただきたいのでぜひご覧ください。
皆様のウイスキーライフがより良いものになりますように。