ウイスキーってどんなお酒? Part.3 代表的銘柄

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ウイスキーのことを全く知らない、または、好きだけどウイスキーの知識は何も知らない。

さらに、ウイスキーのこと詳しく知りたい!ウイスキー検定も受けてみたい!

そんな方に向けてまずは基本的な知識と代表的な銘柄をご紹介します。

Part.1では原料とウイスキーの種類

Part.2では製造工程

Part.3では代表的な銘柄の紹介 

という流れでまとめています。

世界5大ウイスキーの代表的銘柄集

今回はシンプルに世界5大ウイスキーのそれぞれに2本ずつ銘柄を紹介していきます。蒸留所のことや銘柄の詳しいことはそれぞれで特集しますので今回は簡潔にまとめます。

その国の特徴がよくでた銘柄で、なおかつ有名なものを選出しました。必ずしも初心者向けというわけではありませんので、ウイスキー初心者におすすめの銘柄は別の記事でまとめたいと思います。

スコッチウイスキー

1本目はグレンフィディック12年です。

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スコットランドのスペイサイドに蒸留所を構えるグレンフィディック蒸留所の最もスタンダードなボトルです。これは初めてのシングルモルトウイスキーとしておすすめされるウイスキーとしてよく名前が挙がります。

アメリカンオーク樽とヨーロピアシェリー樽で最低12年熟成させており、さらに後熟をかけています。スモーキーさや癖はなく、甘くフルーティなので非常の飲みやすいウイスキーです。

またウイスキーを置いてあるお店ならどこでも売っているといって過言ではない入手性の高さと安価な価格もポイントです。

 

次はボウモア12年です。

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こちらはスコットランドアイラ島にあるボウモア蒸留所で生産されるウイスキーです。

このウイスキーグレンフィディックとは違い、アイラ島らしいスモーキーさを持ち海の塩風を感じるような味わいが特徴です。好き嫌いの分かれるウイスキーですが一度好きになるとハマるそんな魅力のあるウイスキーです。このスモーキーさはスコッチらしさの一つでもあります。

スモーキー(ピーティ)なウイスキーの入門としておすすめな一本です。

アメリカンウイスキー(バーボン)

バーボン1本目はワイルドターキー8年です。

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このウイスキーはThe バーボンといわれるほどバーボンの魅力が詰まった一本です。

私が常にストックしてある大好きなバーボンでもあります。

しっかりとした熟成感で感じる樽香と、度数も50.5%とバーボンらしいパワフルな味わいです。

バーボンってどんなウイスキーだろう、そんなときはぜひ手にとってみてください。

 

次は、メーカーズマークです。

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このボトルデザインが目を引くメーカーズマークは最近TVのCMでも見かける、日本でも非常に人気のある銘柄です。このメーカーズマークの魅力は原料に冬小麦を多く使用しており、甘くスムースでまろやかなあじわいにあります。バーボンの中では非常に飲みやすい部類に入ります。

バーボンらしさを持ちながらメーカーズマークにしかない蒸留所の個性を感じる一本です。

ジャパニーズウイスキー

ジャパニーズウイスキーは銘柄選定に非常に迷ったのですが、シンプルにとても人気な2本を選びました。

ジャパニーズシングルモルトは世界的に評価され認知されてきたことと、近年のウイスキーブームがあいまって慢性的な品薄になっています。

1本目、山崎

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日本を代表するジャパニーズシングルモルトといえばこれという方も多いと思います。

日本独特のミズナラ樽などによる芳醇で華やかな香味が持ち味です。酵母の使い分けや様々な樽材による熟成など数多くの原酒を製造しており、複雑に構成されたヴァッティングでそのオリジナリティを作り出しています。

 

2本目、白州

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こちらは山崎と同じくサントリーが所有する白州蒸留所のウイスキー

その味わいはかすかなスモーキーさを含んだ若葉のようなさわやかな香りで、味わいはとてもクリーンです。白州のハイボールは森香るハイボールと呼ばれさわやかで軽快な味わいが楽しめ、日本食にもよく合います。

アイリッシュウイスキー

アイリッシュウイスキーといえば間違いなく一番有名なこの銘柄。

ジェムソンです。

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ジェムソンはミドルトン蒸留所で作られます。アイリッシュの最大の特徴である3回蒸留によりコクがありながらもライトな飲み口が特徴です。ピートを炊かない製法もアイリッシュの特徴で初心者にもおすすめできる飲みやすさがあります。例外的にピートを使用するアイリッシュも存在します(カネマラなど)。

 

2本目はブッシュミルズです。

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このウイスキーを製造するブッシュミルズ蒸留所は400年以上の歴史を持つ蒸留所です。

こちらもアイリッシュらしくピートを炊かず3回蒸留で雑味がなく甘みのある味わいが特徴です。

味わいの主張は強いほうではなく、カクテルやハイボールの割り材を選ばない万能さも持ち合わせています。

カナディアンウイスキー

カナディアンウイスキーウイスキーの中ではマイナーなカテゴリで、有名な銘柄も多くないのでここで紹介する2本を知っていればとりあえずは十分かと思います。

1本目は、カナディアンクラブ

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カナディアンクラブはカナディアンウイスキーでは間違いなく一番有名なウイスキーです。

華やかな香りがありながら味わいは軽快でカクテルベースとしてよく使用されます。

日本では「C.C.」の愛称で親しまれています。コンビニでも見かけますね。

 

最後に紹介するのは、クラウンローヤル

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カナディアンウイスキーラ・サール蒸留所の再蔵されるウイスキーで、その味わいは甘さ、穀物の香ばしさ、柑橘感がありながらライトです。プレミアムなカナディアンウイスキー

各地域のまとめ

最後に5か国のウイスキーの特徴を簡単にまとめます。

スコッチウイスキーは、なんといってもウイスキー造りの本場で歴史が長く、地域によっては豊富にピートがとれるためスモーキーなウイスキーの生産も盛んで、冷涼な気候による長期熟成されたウイスキーが作られるのも特徴です。

アメリカンウイスキーは、コーンが原料としてよく使われ、ケンタッキー州テネシー州の生産が盛ん。気候は四季があり寒暖差があるため熟成が早く進みます。熟成年数にとらわれずアルコール度数も高めのものも多い。

ジャパニーズウイスキーは、元来からスコッチウイスキーをお手本にしてウイスキー造りがされており、日本独特の木材を使用したり日本人の味覚に合わせた製法を確立してきた歴史があります。近年は新たにクラフトウイスキー蒸留所の建設も盛んで今度さらなる発展が見込まれます。

アイリッシュウイスキーは、過去には歴史ある蒸留所が多く存在し、アメリカへの輸出で栄えたが禁酒法の施行により衰退し閉鎖に追い込まれた蒸留所が多い。伝統の3回蒸留でライトな飲み口のウイスキーが多い特徴があります。

カナディアンウイスキーは、冷涼な気候によりライ麦が多く採れ、原料に多く使用されます。それによりすっきりとした切れ味のある味わいが特徴です。

 

国別で有名銘柄を並べて飲み比べてみるのも面白いと思いますし、きっとその違いに新たな発見があると思います。

ウイスキーってどんなお酒? Part.2 製造工程

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ウイスキーのことを全く知らない、または、好きだけどウイスキーの知識は何も知らない。

そんな方に向けてまずは基本的な知識と代表的な銘柄をご紹介します。

Part.1では原料とウイスキーの種類

Part.2では製造工程

Part.3では代表的な銘柄の紹介 

という流れでまとめています。

今回はPart.2 製造工程についてお話ししていきます。

製造工程の概略

①製麦、②糖化、③発酵、④蒸留、⑤熟成、⑥混合、瓶詰め

知らなくてもウイスキーは楽しめますが各工程はすべてウイスキーの味や香りを左右する重要な役割があり、蒸留所ごとに様々な工夫がこらされ様々な方法がとられています。

ウイスキーをより深く楽しみたいなら間違いなく知っておいて損はない内容です。

ウイスキーの銘柄を選ぶにあたってそのウイスキーの情報を調べると、どんなポットスチルで蒸留されていて、どんな樽で熟成されていて、構成原酒(どんなブレンドになっているか)は何か、などなど...といった情報が得られます。

その情報の意味や、それによってウイスキーにどのような影響が得られるのかを知ることは非常にに重要です。

各製造工程はスコッチウイスキーモルトウイスキーのものを基本にしています。グレーンやその他のウイスキーは蒸留の方法が違ったりしますがもほとんど同じ工程で造られています。蒸留の工程ではその違いについても解説します。

ひとつずつ見ていきましょう。

①製麦 ~モルティング~

ウイスキーの製造工程で、一番初めに行われるのが大麦を麦芽(大麦麦芽)にする「製麦」といわれる工程です。まず原料の大麦を糖化させるのですが、糖化に必要となるのが、大麦が発芽するときに生み出される酵素です。

大麦に含まれるでんぷんはそのままでは発酵させることができないので、これを糖に変換する必要があります。

どうするかというと、大麦を数日間水に浸けると発芽が始まります。この時にできる酵素の働きによってでんぷんが糖に変わります。

この時に使われる水が仕込み水といい、水に浸ける桶(浸麦槽)のことをスティープといいます。

仕込み水には蒸留所ごとにその土地の特徴がでます。水の硬度や含まれる成分によってウイスキーの仕上がりに影響があります。

一般的には酒造りには穀物の成分を抽出する能力の高い軟水のほうが向いているといわれており、多くの蒸留所が軟水を使用しています。しかし酵母の増殖にはミネラルは必要であり、硬水を使用している蒸留所もありますので一概には言えません。

次に、大麦は発芽して成長しすぎると酵素が失われてしまうので今度は、発芽を止める(芽止め)ためにピート(泥炭)や石炭を焚いて、大麦を乾燥させます。発芽の成長を止める乾燥の過程で、ウイスキー独特のピート香やスモーキーさが生まれます。

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ここまでが麦芽の準備、製麦です。

②糖化 ~マッシング~

製麦されたモルトは次にモルトミルという機械で粉砕されます。粉砕されたモルトはグリストと呼ばれます。

粉砕の具合も重要で、粉砕具合の荒いほうから順にハスク、グリッツ、フラワーと言い、粉砕比率はハスク:グリッツ:フラワー=2:7:1となるようにするのが一般的です。

このようにする理由は、

粉砕の後にマッシュタンと呼ばれる糖化槽に移されるのですが、そこでハスクが沈殿してそれ自体が濾過層を形成して濾過させるためです。この比率が崩れハスクが多すぎると液体が通り抜けすぎて濾過にならず、フラワーが多いと目詰まりを起こしてしまいます。

糖化槽に移されたモルト(グリスト)はお湯が加えられ攪拌されます。これにより発酵に必要な糖液(麦汁、ウォート)を抽出します。これを「糖化(マッシング)」といいます。3,4回お湯を加えて抽出してを繰り返します。ここに使われる水も仕込み水を使います。また、3回目以降の抽出液は次の糖化工程の1回目の仕込み水として使用したりします。

糖液を抽出し終えた絞りカスはドラフと呼ばれ家畜の飼料などとして使われます。

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③発酵 ~ファーメテーション~

続いて発酵です。

抽出された糖液はまず20℃程度に冷却されウォッシュバックと呼ばれる発酵槽に移され、ここに酵母が加えられ発酵を行います。この時、糖液が冷却されていないと酵母が死んでしまいます。

ウォッシュバックの材質は蒸留所によって異なり、オレゴンパインやダグラスファーという木材やステンレス製の桶などがあり、サイズも1万リットルから10万リットルと幅広く、様々なものがあります。このウォッシュバックの材質などによってもウイスキーの仕上がりに影響があります。

酵母は糖を分解しアルコールと炭酸ガスを生成します。この発酵工程は3日程度で終了しこれによってもろみ(ウォッシュ)ができます。このときのもろみのアルコール度数は約8%となります。

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木製ウォッシュバック

④蒸留 ~ディスティレーション~

蒸留については長くなりますので蒸留器編と蒸留法編に分けて説明します。

蒸留器編

蒸留の工程はモルトウイスキーとグレーンウイスキーで使用する装置などが異なります。

モルトウイスキーはポットスチルという銅製の単式蒸留器が使用されます。このポットスチルは蒸留所によって形状や大きさが異なり蒸留所の個性を出すとても大切なものになります。以下のように形状によってそれぞれ名前がついています。

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ポットスチルは前述したとおり蒸留所によって異なり、同じものはありませんので一概にこの形だからどのような酒質になるか、と言い切れるものではありませんが傾向として

ストレート型は気化したアルコールが滞留することなくまっすぐ上昇しますので力強く重ためな酒質になり、

ランタン型やバルジ型はそのくびれやふくらみによって滞留を起こし、なおかつ接する表面積の広さによってクリーンで軽めの酒質になる傾向にあります。

また、ポットスチル上部のその先のパイプにつながる部分をラインアームといい、このラインアームの角度によっても酒質は変化します。

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蒸留所のことを調べたり見学に行ったりする際にこの知識をいれておくだけで、ポットスチルをみて出来上がりのウイスキーのイメージを膨らませるのがとても楽しくなりますね。

ここでグレーンウイスキーに使用する蒸留器についても簡単に触れておきます。

グレーンウイスキーには連続式蒸留器というものが使われます。

これは連続的にもろみをいれることができ、蒸留機の中で何度も繰り返して蒸留が行われるため、連続式蒸留と呼ばれます。単式蒸留とは異なり一度蒸留を行うだけでかなり高いアルコール度数(90度程度)にすることができるため効率的に生成ができ大量生産が可能です。

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引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/連続式蒸留器

連続式蒸留器は複雑な構造でここでは説明できませんので割愛させていただきます。

蒸留法編

スコッチウイスキーを例にすると基本的には2回蒸留します。(例外的に3回蒸留もあり)

一回目の蒸留を行うポットスチルをウォッシュスチル(初留釜)、二回目の蒸留を行うポットスチルをスピリッツスティル(再留釜)と呼びます。

この時ポットスチルの加熱には伝統的な石炭やガスを使った直火炊きと、スチームパイプを蒸留釜の中に通す方法があります。後述のスチームパイプを使用した方法は直火炊きと違い内部の清掃など取り扱いが楽なので現在はこちらが主流となっています。

一回目の蒸留で得られる初留液をローワインといい、アルコール度数はもろみの約3倍になるので22~25%のものが得られます。

二回目の蒸留では一回目には行わないミドルカットという工程があります。これは蒸留の初めと終わりに生成される液体にはアルコール度数が高すぎたり低すぎたり、余計な香味成分が含まれたりすることがあるためこれをカットします。この工程を行う装置をスピリッツセイフといいスチルマンという職人の手で行われています。

二回目の蒸留とミドルカットにより、一回目の蒸留で得られたローワインは最終的に20~30%の量になります。

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スピリッツセイフ

⑤熟成 ~マチュレーション~

蒸留を終えたままの状態のお酒はニューポット(ニューメイク)と呼ばれ、これではウイスキーとは呼べません。このニューポットを樽に入れて寝かせる工程を熟成といいます。

樽に詰める前にまずはアルコール度数を調整します。ニューポットはそのままでは70%程度のアルコール度数ですがこれでは樽の木材の成分を抽出しずらく、加水して63%程度に調整することで知樽材の成分を溶出しやすくします。

樽の木材は基本的にオークの木でできています。アメリカンオーク、ヨーロピアンオーク、スパニッシュオークなどに限定されます。この木材の種類によってウイスキーに与える風味に違いがあります。

それに加えてスコッチウイスキーはバーボンの熟成に使われた樽、シェリー酒の熟成に使われた樽など、ほかのお酒の熟成に使われた樽で熟成を行うのが一般的です。この樽による差は非常に大きく、ウイスキーの風味を大きく左右します。また、バーボンの熟成には新樽による熟成が義務づけられています。

樽のサイズも様々で以下のような種類があります。このサイズによっても熟成のスピードや樽材の成分の溶出具合が変わってきます。

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⑥瓶詰 ~ボトリング~

熟成を終えたウイスキーはボトリングする内容に合わせて、すべてタンクに集められ混合します。これは同じ工程を踏んで作られたものでも熟成庫(ウエアハウス)内で、樽の置かれた位置や高さなどの環境の差による仕上がりの差があり、その差を平均化するために行われます。

これをヴァッティングといいます。ヴァッティングによってウイスキーブランドとしての安定した品質を守ることが不可欠です。

ここで、ブレンデッドウイスキーにおける異なる蒸留所のウイスキーブレンドして混合し、そこで初めてウイスキーの味を完成させる工程をブレンディングといいます。この二つは似た工程ですが意味が異なります。

さらに、樽から払い出されたままのウイスキーはアルコール度数が高いため加水を行い度数を調整します。こうして普段我々が目にするウイスキーの度数になっています。加水を行わずそのままの度数でボトリングしたものをカスクストレングスといいます。

この時加水される水は仕込み水とは言いません。多くの蒸留所では不純物を取り除いた精製水を使用していますが、稀に仕込み水と同じ水を使用している蒸留所もあります(ブルックラディ、グレンフィディックスプリングバンクなど)。

またボトリングの際に、沈殿物や澱(おり)などが出ないように冷却ろ過(チルフィルタード)を行います。しかしこの工程によりウイスキーの風味を損なう可能性があるといわれており、最近では冷却ろ過を行わずボトリングするもの(ノンチルフィルタード)も増えています。

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長々と書いてしまいました。最後まで読んでいただいた方ありがとうございます。

まだ書きたい内容がたくさんありますのでそれはまた別の記事で特集したいと思います。

ウイスキーってどんなお酒? Part.1 原料と種類

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ウイスキーのことを全く知らない、または、好きだけどウイスキーの知識は何も知らない。

そんな方に向けてまずは基本的な知識と代表的な銘柄をご紹介します。

Part.1ではウイスキーの原料と種類

Part.2では製造工程

Part.3では代表的な銘柄の紹介

という流れでまとめました。

今回はPart.1ということでウイスキーの原料と種類についてお話していきます。

ウイスキーの定義

「穀類を原料として、糖化、発酵工程の後に蒸溜をおこない、木製の樽で貯蔵熟成させたお酒」

ウイスキーの定義としてはこのようになります。

これだけではわかりにくいと思いますので、この定義をもとに一つずつ解説していきます。

原料の種類

ウイスキーの原料は主に穀物、水、酵母の3つです。

ウイスキーの原料といえばいきなり穀物の種類に言及しているものが多いですが、水と酵母の存在もとても重要です。水と酵母についてはPart.2の製造工程で触れたいと思います。

ウイスキーを深く知ろうと思った際にはこの二つ(特に水)にも注目してみるといいと思います。

ではまず、穀物の種類です。

代表的な原料となる穀物は、大麦(モルト)、小麦、ライ麦、トウモロコシなどです。ウイスキーはこの穀物の種類によって大別されます。特に大麦は発芽させた大麦麦芽を使用します。

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世界5大ウイスキーと呼ばれるスコッチウイスキー、ジャパニーズウイスキーアメリカンウイスキー(バーボンなど)、アイリッシュウイスキー、カナディアンウイスキーの原料を紹介します。

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世界5大ウイスキーの分類

これだけたくさんあると覚えるのも大変ですが、重要なポイントだけ抜粋すると、

モルトウイスキーは、モルトのみ使用!

グレーンウイスキーは、トウモロコシを中心にライ麦や小麦を使用!

バーボンウイスキーは、トウモロコシが51%以上!

とりあえずはじめはこの三つだけ覚えておけばいいと思います。

ウイスキーの分類

さらにこれらのウイスキーの多くはボトルに詰められる前にヴァッティング(ブレンド)されます。その組み合わせによってウイスキーは分類されています。

スコッチウイスキーを例にその分類を簡単に紹介します。詳しくは各国のウイスキーについての記事で改めて詳しくご紹介します。

シングルモルトウイスキーは、単一の蒸留所の複数のモルト原酒をブレンドしたもの

シングルグレーンウイスキーは、単一の蒸留所の複数のグレーン原酒をブレンドしたもの

ブレンデッドウイスキーは、複数の蒸留所のモルト原酒とグレーン原酒をブレンドしたもの

ブレンデッドモルトウイスキーは、複数の蒸留所のモルト原酒のみをブレンドしたもの

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シングルモルトウイスキーは単一の樽の原酒をブレンドせずにそのままボトリングされていると勘違いされるのですが、それはシングルカスクウイスキーといいます。

もう一つよく勘違いされていることとして、多くの一般的なウイスキーはアルコール度数が40~46%のものが多いですが、それは樽から払い出された状態でその度数なのではなく加水されて度数を調整されています。また、バーボンは比較的高いアルコール度数のものが多い傾向があります。

樽から払い出される際に加水を行わずそのままボトリングされるものはカスクストレングスと呼ばれます。

まとめ

ウイスキーの原料と種類について簡単に解説しました。

ウイスキーは生産される国によって原料や呼び方が異なります。

またボトリングされる原酒の内容によっても分類があります。

ウイスキー好きからするとよく知られた内容ですが、初めての方はちょっと難しい内容だと思いますのでたまに見て復習していただければと思います。